社会保険料控除の概要
社会保険料控除は、その年中に支払った社会保険料の全額を所得から差し引くことができる所得控除です。
対象となるのは、本人の社会保険料だけでなく、生計を一にする配偶者や親族の社会保険料を本人が負担した場合も含まれます。
控除額に上限はなく、実際に支払った金額の全額が控除対象となる、非常に影響の大きい控除です。
適用対象
■ 利用できる人
- 本人が負担した社会保険料
- 本人が**生計を一にする配偶者・親族(所得58万円以下)**に代わって支払った保険料
「生計を一にする」とは、
同居している家族はもちろん、別居でも生活費・学費等を継続的に送金している関係を含みます。
■ 対象となる社会保険料(国税庁の定義)
社会保険料控除の対象となる保険料は次のとおりです。
(※要点のみ抜粋)
- 国民年金保険料・厚生年金保険料
- 国民健康保険料(税)
- 健康保険料(協会けんぽ・組合健保)
- 介護保険料(40歳以上)
- 後期高齢者医療保険料
- 雇用保険料
- 国民年金基金・厚生年金基金の掛金
- 農業者年金保険料
- 共済組合の掛金
- 条約による外国の社会保障制度に支払う一定の保険料
(国税庁が定める14種の社会保険料が対象)
控除額のしくみ
社会保険料控除は、次の特徴があります:
- 控除できる金額:その年に実際に支払った社会保険料の全額
→ 上限なし - 給与から天引きされた保険料も「支払ったもの」とみなされる
→ 会社員は自動的に年末調整で反映される - 前納した分・過去の滞納分を払った場合も、その年に支払った分は全額控除
(1年前納・2年前納も、支払年にまとめて控除可)
手続き方法
社会保険料控除は、次のどちらかで手続きします。
■ 会社員(給与所得者)
基本は年末調整で完結します。
- 給与から天引きされている社会保険料は、
→ 勤務先が自動計算し、従業員の記入は不要 - ただし、自分で支払った以下は申告が必要
- 国民年金(本人・家族分)
- 国民健康保険料
- 国民年金基金
- 家族の社会保険料を肩代わりした場合
→「給与所得者の保険料控除申告書」に記入
→ 国民年金は控除証明書が必要(日本年金機構が送付)
■ 自営業・フリーランス(確定申告)
- 確定申告書の「社会保険料控除」に1年分の支払額を入力
- 国民年金・国民年金基金は控除証明書を添付
(健康保険料などは証明書不要)
■ 必要書類
- 国民年金保険料の控除証明書(毎年10〜11月に届く)
- 国民健康保険料の支払証明(自治体の納付書・領収書)
- 各種保険料の領収書(必要に応じて)
よくある誤解と注意点
- 家族の社会保険料を支払った場合でも控除できる
→ 生計を一にする親族に限る - 妻の年金から特別徴収された介護保険料は、夫は控除できない→ “支払った人”に控除がつく
- 後期高齢者医療保険料は、支払方法で控除者が変わる
- 年金特別徴収 → 年金受給者が控除
- 口座振替 → 振替をした人が控除
- 未納の保険料は控除対象外(支払っていない年分は不可)


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